喫煙者を一切採用しないことにしました。


Tweetしたところ反響があったのでブログにも簡単に書こうと思います。

 

なぜ喫煙者を採用しないことを決めたのか

Tweetに書いたように①健康②生産性③周囲への影響の面で会社にとって良いことが何もないと思ったからです。

健康面のリスク

健康面では、肺がんのリスクが5倍になります。本人だけではなく受動喫煙者もリスクが高まります。

別に自分で好きなことやって勝手に死ぬならいいだろという意見も出そうです。
ただ、実際に将来、肺がんになってしまった時に同じことは言えないだろうと思っています。周囲の人もとても悲しむはずです。

星野グループでは、ヘビースモーカーのベテラン社員が肺炎で若くして亡くなったのをきっかけで喫煙者不採用と禁煙の促進を決めたそうです。

タバコを吸う必然性はないので、喫煙者はニコチンの依存性によって辞められなくなってるだけです。

本人の自由だからと放置せず、それが間違いなら勇気を持ってNOと伝えることが従業員に対する愛だと思います。

あの時、力づくでもやめさせれば良かったと悔やむ前に。

生産性の低下

喫煙は生産性の観点だと次のような悪影響があります。

・ニコチン血中濃度低下によってイライラして集中力が下がること
・煙草休憩の時間が必要になること

これらは仕事をする上で明らかにパフォーマンスを落としているように思えます。しかし、タバコを吸っている人が必ずしも生産性が低いわけではないと思います。そこは厳密にはわかりません。

ただ、私としては実際に生産性が高いか低いかという議論以上に、非喫煙者から不満の声が上がることのほうが問題であり、生産性を落としていると考えています。

特に煙草休憩は、非喫煙者からの不満になりやすいです。

非喫煙者の若手社員からこんな声を聞きました。

「喫煙組は1日に何度もぞろぞろとタバコを吸いにいくけどあの時間は何なのか?僕達は休まず集中してやってるのに不公平ではないか?」

もっともな意見です。

もしかしたら喫煙者はその若手社員より集中して仕事を終わらせていると主張するかもしれませんが、感情的には納得できません。こういった意見が上がること自体が無駄です。

星野グループの採用ページには次のような文がありました。

「なぜニコチン依存症の社員だけを企業は優遇するのか」とアルコール依存症の社員が主張したら、従業員食堂の横に社員用のバーを設置するのでしょうか。ニコチンが切れて集中できないという状況は、アルコールが切れて手が震えるという状況と差はありません。

会社の中にタバコを吸えるスペースがあること自体、すでに不平等を生みます。

あと、喫煙室でのコミュニケーションが仕事に役立つと話す人を見かけますけど、わざわざ健康を害してタバコを吸う必要はないです。社内でランダムでフランクなコミュニケーションを起こしたいなら出来ることは他にも山ほどあります。

周囲への悪影響

喫煙は次のような周囲への悪影響があります。

・受動喫煙で他人の健康を害すること
・洋服、口臭が臭く仲間やお客さんの気分を害すること
・タールで歯が黄ばんで清潔感がないこと
・マナーを守らない人が道に吸い殻を捨てること

喫煙者の方は鼻が慣れてしまって気付いてないようですけど、喫煙した後の洋服も口も臭いです。横を通り過ぎただけで分かります。

なぜ不快な臭いを我慢しなければならないのでしょうか。お風呂に入ってなくて体臭が臭う人がいれば、厳しく注意を受けるはずです。清潔感は社会人の基本的なマナーのはずなのに、タバコの臭いだけがなぜか「仕方ないもの」としてまかり通ってる気がします。

喫煙者不採用を決めるまで考えたこと

喫煙者不採用は経営会議で何度か議論して決めました。
喫煙者不採用にすることはデメリットもあります。具体的には次の2点です。

①現在の喫煙者から不満の声が上がること
②優秀だけど喫煙者の求職者を落としてしまうこと

経営陣としては、先にあげた悪影響がなくなるメリットは、①②のデメリットを遥かに上回ってると判断しました。

前提として、法律の範囲内で個人の生き方は自由であり、喫煙が悪ではないと考えています。あくまで会社としての価値観の問題です。

喫煙者を採用した後に、喫煙者不採用にするのは後出しジャンケンなので会社としては採用した責任を取る必要があります。

なので、「報酬に差を出すなど、強制的に喫煙を辞めさせるような強い圧力をかけないこと」「禁煙する意志がある人には会社としてサポートすること(禁煙外来費用を負担)」を決めました。

今後、喫煙者が会社に入ってくることはなく、それだけでも十分に強い圧力になってしまうのでそれ以上やる必要はありません。

これからは喫煙者不採用が一般的になる

今、社会全体として喫煙者に対する圧力が強くなっています。喫煙出来るスペースもどんどん減っています。そこには、いろんな背景があるとは思いますが、根底にあるのは「喫煙は人を幸せにしない」と人々が気づき始めたからではないでしょうか。

「ニコチン依存」は薬物依存の一種ですが、アルコール依存などに比べて、「依存」問題として扱われるようになったのは比較的遅く、1970年代になってからだそうです。

アルコールを飲みながらだと、明らかに仕事が出来ないので問題になります。それに比べて喫煙は、特に短期的な問題にはなりません。「タバコを吸いながら仕事をして何が悪い」と考える人がいるのも仕方がなかったかもしれません。

しかし、もう時代が変わりつつあります。喫煙の健康被害や周囲への影響が注目されていて、喫煙するデメリットのほうが大きいことが共通の価値観となっています。

事実、喫煙者数は年々減少を続けています。

出典:厚生労働省 最新たばこ情報

成人男性の平均喫煙率は、昭和40年以降のピーク時(昭和41年)の 83.7%から、平成28年の28.2%まで50ポイントも下がっています。このペースで行けば近い将来タバコを吸う人がほとんどいない時代になりそうです。

企業が何もせずとも喫煙者はいなくなるのかもしれませんが、あえて喫煙者を採用するメリットは今後ますます無くなっていくはずです。喫煙者の比率が減るほど、「優秀な喫煙者」も減っていくので、わざわざタバコ休憩必要な人達を採用する必要なくない?となっていきます。

労働集約的な仕事がテクノロジーに置き換えられていくので、人々は作業ではなく、より生産性の高い仕事をすること必要になっていきます。生産性を高めるために喫煙者不採用に舵を切る企業は今後、増えていきそうだなと個人的には思いました。

こういった事を書くと、大体、喫煙者から厳しい言葉をもらいます。Twitterでもきついことを言われました。ごめんなさい。別に嫌がらせをしたいわけじゃないんですけど、不快な気持ちになるのも分かります。

ただ、私としては健康かつ生産的に働ける人が増えて欲しいと思っているので「嫌われる勇気」を持って記事にしました。他の企業の社長からも「うちも不採用にします!」とメッセージをもらえたので何かしら良い影響を与えられたんじゃないかと思っています。

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